“心の専門家”として、臨床心理士に人間的資質や倫理観が問われます。
臨床心理士は、単に個人的な意欲や情熱、あるいは人生経験だけでは成り立たないと言われます。“心の専門家”である臨床心理士は、社会的責任を担う高度専門職業人であるため、当然そこには相応の専門的な資質や能力が求められますが、他の多くの専門家と違い、自分という直接的な人間関係と心を用いるため、臨床心理士という専門家自身の“人間的資質”“倫理観”が大きく問われるのです。
『臨床心理士倫理綱領』 (前文主旨)
臨床心理士は基本的人権を尊重し、専門家としての知識と技能を人々の福祉の増進のために用いるように務めるものである。そのため臨床心理士はつねに自らの専門的な臨床業務が人々の生活に重大な影響を与えるものであるという社会的責任を自覚しておく必要がある。したがって自ら心身を健全に保つように努め、臨床心理士に付与される倫理綱領を遵守する義務を負うものである。
*臨床心理士の倫理綱領の遵守に関し、当協会には倫理委員会が組織されています。倫理綱領にもとる行為があった場合、倫理委員会の審査により厳重注意、一定期間の登録停止、登録の抹消等の措置がなされることになっています。
なお、臨床心理士が行う専門業務の適正な展開や、その利用者の福祉を側面的に援助するため、別途に総務委員会が組織されています。この委員会では、当協会に寄せられる臨床心理士またはその利用者等から申し出られた内容について、当協会の関連委員会と連携をとりつつ、総合的な努力によって適切な問題解決、支援を図っています。